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サイバー攻撃、情報漏洩のリスクに備えるための情報発信コラム

2023.12.6 情報漏えい

営業秘密の不正持ち出し、2022年は過去最多。漏えいリスクに備えるためにどうしたらいい?

令和4年中に都道府県警察が検挙した営業秘密侵害事犯の検挙事件数は29事件、検挙人員は45人となっており、検挙事件数は過去5年間で増加傾向にあります。その理由はなぜでしょうか?

営業秘密の不正持ち出し、2022年は過去最多。漏えいリスクに備えるためにどうしたらいい?

まず「営業秘密」とは

営業秘密とは、いわゆる「企業秘密」のことで、企業や個人が競争の中で差別化を図り成功を収めるために、独自に実践している手法やアプローチのことを指します。
例えば、顧客情報や未公開の新製品情報や技術など、存在することで企業に利益をもたらす秘密情報であり、流出した場合は企業の損害となるような情報です。
なお、英語ではトレードシークレット(trade secret)と呼ばれています。

営業秘密はあくまで表面的なものだけでなく、深層においては顧客との信頼構築やマーケットの理解、競合他社との差別化など多岐にわたります。
企業規模や業種に関わらず、どんな企業にも「秘密として守るべき、会社の大事な情報資産がある」といえます。

過去の主な営業秘密の侵害の内訳

過去、日本で起きた大きな営業秘密の漏えい事件は以下のようなものがあります。

被害企業発覚時期漏えい情報流出先など
ベネッセ2014年顧客(含保護者)2,900万件の個人情報国内の競合会社(名簿業者経由)
NISSHA2019年タッチセンサー生産プロセスの技術情報中国の競合会社
積水化学2020年タッチパネル用導電性微粒子の製造工程情報中国企業
ソフトバンク2020年移動通信システム(5G)の基地局整備に関する情報外国政府関係者
国内の競合会社
はま寿司2022年仕入れ原価や仕入れ元情報国内の競合会社

まず、上記はごく一部の事件であることをお知りおきください。
営業秘密の漏えいは日々発生しており、下記はごく直近のニュースからの事件です。

2023年12月5日
東証プライム上場の電子部品大手「アルプスアルパイン」の元社員が在職中、同社の営業秘密を不正に持ち出していた疑いが強まり、警視庁公安部は5日、同社元社員で中国籍の30歳代の男を不正競争防止法違反(営業秘密領得)容疑で逮捕した。 男は国内の大手自動車メーカーに転職しており、持ち出したデータを転職先で利用しようとしたとみて捜査している。
引用元:日本経済新聞

2023年9月28日
転職元の大手商社「兼松」から営業秘密を不正取得したとして、警視庁は28日までに、大手商社「双日」元社員で職業不詳、真鍋昌奨容疑者(32)=東京都江東区=を不正競争防止法違反(営業秘密侵害)の疑いで逮捕した。持ち出された情報には兼松が管理していた自動車の部品に関するデータや取引先の営業情報が含まれるという。 真鍋容疑者は兼松で自動車部品の取引を扱う部署に勤務。2022年6月に兼松を退社し、翌月に双日に転職した。すでに双日は退社している。
引用元:日本経済新聞

営業秘密の侵害の内訳

それでは、重要な営業秘密の情報漏えいルートはどのいった経路でしょうか。
IPAの「企業における営業秘密管理に関する実態調査」によると、内部の社員や退職者からの情報漏えいで8割を占めており、特に退職者ルートの漏えいは39%です。
転職者が元職場の秘密情報を競合社などに不正に持ち出す事件は近年相次いでおり、転職による人材の流動化が進んでいることなどが背景にあるようです。

営業秘密の漏えいルート、企業における営業秘密管理に関する実態調査IPA

営業秘密の具体例

営業秘密は企業が独自の価値を持つために保持している非公開情報です。
以下は、一般的な営業秘密の具体的な例です。

・製造ノウハウ・アイデア
・製品仕様・設計図
・研究開発情報(計画、実験・失敗データ)
・顧客情報・仕入先情報
・販売情報(見積書、プレゼン資料)
・各種契約(契約内容、関連情報)
・他社から受け取った情報 など
(出典)独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)はじめての「営業秘密管理」

これらはごく一般的な例であり、企業によってはこれら以外にも多くの営業秘密を有しています。
これらの情報は創意工夫や試行錯誤を繰り返して得た成果であり、競合他社に対抗できる強み、市場での差別化を可能にする重要な要素となっています。
このような大切な秘密情報は、一度漏洩してしまうと決して元には戻らず、もしこれらが流出してしまったら会社の強みに陰りがでることになってしまいます。

営業秘密と法令

不正競争防止法では企業秘密を「営業秘密」と呼んでいます。
不正競争防止法は、他人の技術開発、商品開発等の成果を冒用する行為等を不正競争として禁止しています。
具体的には、ブランド表示の盗用、形態模倣等とともに、営業秘密の不正取得・使用・開示行為等を差止め等の対象としており、不法行為法の特則として位置づけられるものです。

技術やノウハウ等の情報が「営業秘密」として不正競争防止法で保護されるためには、以下の3要件の有用性、秘密管理性、非公知性を挙げています。

【秘密管理性】秘密として管理されていること

営業秘密保有企業の秘密管理意思が、秘密管理措置によって従業員等に対して明確に示され、当該秘密管理意思に対する従業員等の認識可能性が確保される必要があります。

【有用性】有用な営業上又は技術上の情報であること

当該情報自体が客観的に事業活動に利用されていたり、利用されることによって、経費の節約、経営効率の改善等に役立つものであること。現実に利用されていなくてもかまいません。

【非公知性】公然と知られていないこと

保有者の管理下以外では一般に入手できないこと。 不正競争防止法において、「営業秘密」として管理される情報は、その不正取得、開示、使用等に対して、一定条件下、民事的保護/刑事罰の適用があります。
情報漏えい時に保護を受けるために、「営業秘密」として情報管理を進めましょう。
万が一、営業秘密を漏えいさせてしまった場合は、契約違反等にあたる可能性が高く、ステークホルダーとの信頼関係を毀損させることになってしまうほか、法令違反として刑事責任へ発展してしまいます。

例:受託やライセンス等の他社との契約等により限定的に開示された技術情報、安全保障貿易管理に関わる製品に関する技術情報 等

営業秘密管理を始めましょう

会社の秘密を守り・活用するには、社内情報の適切な管理が重要となります。

適切な情報管理を行うことで、

・情報漏洩を未然に防止できます
・営業秘密として保護される可能性があります

つまり会社の強みを守り、会社の収益を守ることに繋がります。

もし、貴社でまだ営業秘密管理に取り組んでいない場合は以下の資料がおすすめです!

▼独立行政法人工業所有権情報・研修館(通称INPIT)『はじめての「営業秘密管理」』
▼経済産業省「営業秘密~営業秘密を守り活用する~」>営業秘密関係の基本資料

一口情報:転職者の営業秘密持ち出し、どうしたらいい?

独立行政法人工業所有権情報・研修館(通称INPIT)は、転職時の情報持ち出しを防ぐためには、従業員とも退職者やもちろん昇進時やプロジェクト開始時に従業員と秘密保持契約書を締結することを積極的に勧めています。
また、転職者の採用時にも、秘密保持契約書や競業避止義務などの有無を確認し、他者の秘密を持ち込まない旨の誓約書に署名をもらうことも必須としています。
このことにより、紛争を未然に防止する備えとなります。

営業秘密の漏えいに備えるために

ここまで営業秘密についてお伝えしてきましたが、こういった備えを行っても残念ながら情報漏えいのリスクをゼロにすることはできません。

営業秘密の漏えいにサイバー保険が有効

しかしサイバー保険で営業秘密の漏えいについて、補償があることをご存じでしょうか。
サイバー保険に加入しておくことで、万が一の際に生じる損害や多大な労力から自社を守ることが可能です。
もし情報漏えいについて備えたい場合には、下記の記事もお読みください。
▼サイバー保険の必要性とは?必要な理由と個人情報漏洩保険との違いをプロが徹底解説

今、営業秘密の漏えいや情報漏えいについてお悩みであれば、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。

サイバー保険を選ぶ際は、大手保険会社の中で比較、検討することをおすすめします。
当サイトの運営会社ファーストプレイスでは、下記5社のサイバー保険を取り扱っています。
サイバー保険を扱う大手メガ損保5社の保険料を無料で一括見積もり・比較いたします。

【取り扱いのある保険会社】
東京海上日動火災保険株式会社
三井住友海上火災保険株式会社
損害保険ジャパン株式会社
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
AIG損害保険株式会社

ご興味のある方はこの機会にぜひ、サイバー保険 一括見積りサイトよりご相談ください。

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